TA・RA・OAの学生・院生のみなさんへ

 TA・RA・OAとして京都大学法人と雇用関係にある学部生、大学院生のみなさんに職員組合への加入を呼びかけます。

 これまでにもTA・RA・OAの方々は、一般的な時間雇用職員の方々と同様に、組合に加入することができました。新型コロナ対応のための業務縮小によりTA・RA・OAの仕事の打ち切りが一方的に申し渡されるケースなどにかかわる相談もなされており、中には組合に加入された方もいます。ですが、これまでのところ加入者はごく少数でした。TA・RA・OAの雇用形態や雇用期間があまりに多様であるために積極的に考慮に入れてこなかったことに加えて、組合費も大きな障壁もなってきたと考えられます。

 そこで、TA・RA・OAの方々は授業料を納入する立場にあることに鑑みて、特別に安い組合費(1人あたり月300円)で加入できることとしました。一般的には組合員はそれぞれの所属する部局に設けられた支部(文学部支部、病院支部etc.…)と、職種毎に設けられた部会(教員部会、非常勤職員部会etc.…)に属して活動する仕組みとなっていますが、TA・RA・OA部会を新たに設けたいと考えています(従来の支部活動にどのようにかかわってもらうかは今後の検討事項であり、支部によっても違いが出てくるかもしれません)。

組合に加入することで、たとえば次のようなことが可能となります。

①京都大学法人との団体交渉に参加することができます。

 働く者の権利として団体交渉の開催を要求でき、使用者には団体交渉に応じる義務があります。この団体交渉こそが組合の最大の強みであり、組合員となることのメリットでもあります。何を団交の場の議題にあげるかについては事前に中央執行委員会で議論して決める必要があり、学生として直面している問題すべてを議題化できるわけではありません。団交の場で要求できるのは、原則的に京都大学に働く者としての待遇や労働環境にかかわることがらに限定されます(立看板の設置を含む)。ですが、たとえばTA・RA・OA部会で直面する問題(賃金の金額や支給のタイミング、雇い止め、ハラスメント、各種手当etc.)について議論を交わし、これを団交の要求項目へと練り上げ、団交の場で法人理事に対して回答を求めることは可能です。

②組合専従スタッフや組合役員、弁護士などの専門家が様々な相談に乗ります。

 職員組合には専従スタッフが常駐しており、職場の労働問題の相談に乗り、内容によっては組合役員も交えて対応し、問題解決の支援をします。また、京都第一法律事務所との「法律相談」、一般社団法人カウンセリングルームBigSmileとの「心の健康相談」を初回無料でできるほか、「子育て・保育園相談」も実施しています。 TA・RA・OAとして働かれる中で不当に権利を侵害されたと感じながらも、誰に相談してよいか、わからないということがあると思います。あるいは大学のカウンセリングセンターに相談してみたものの、疑問がむしろ募ってしまったということもあるかもしれません。そうした場合に組合にご相談ください。労働運動に詳しい専従書記が相談にのるほか、必要に応じて中央執行委員会を構成する役員につなぎ、場合によっては組合として法人当局や関係部署に要望書や質問書を送ります。さらに法律や「心の健康」にかかわる専門家の意見を聞きたいという場合には、初回無料で相談することがもできます。また、吉田キャンパスに近い朱い実保育園、風の子保育園の設置者である社会福祉法人樹々福祉会から、組合事務所に定期的に保育士を派遣していただき、組合員向けの子育て相談・保育園入園相談を実施しています。

③組合事務所やさまざまな機材を利用することができます。

 本部事務棟の南側にある組合事務所は、簡素な平家建ての建物ではありますが、20~30人が集まれる会議室があります。さらには横断幕等を作成可能な大判プリンタートラメガもあります。こうした独自の区間を持つことは、組合を拠点としてTA・RA・OAの横のつながりをつくっていく上で大きなリソースとなりえます。専従書記の雇用を含めて、こうしたリソースを常時確保しておくため組合費が必要なのだとご理解ください。

④立場や部局の違いを横断して議論する空間に参加できます。

 組合の大きなメリットは、教員と職員という立場の違いや所属する部局の違いを越えて多くの人と知り合い、議論することができることです。働く者として切実な利害のかかわる関係の中では「先生の言うことだから…」「上司の言うことだから…」と我慢させられがちですが、組合であれば誰もが基本的に「組合員」として対等な立場で率直な議論をすることができます。そのことは、TA・RA・OAとして学生が組合に加入した場合でも変わりありません。
 組合に加入することへのメリットはわかった、それではデメリットは?と思われる方もいるかもしれません。デメリットがあるとすれば、組合費にかかわる経済的負担、役員等を引き受けた場合の時間的負担、「上司」にあたる存在から「組合員?」とうさんくさげな目で見られるかもしれない精神的負担などです(最後は実際にはめったにないことですが、ひとつの可能性としてはありえないわけではありません)。このようにまったく負担がないわけではありませんが、働く現場で思いもがけない権利侵害に出会ったときの「保険」とお考えください。世の中には「掛けすての保険」なるものもありますが、TA・RA・OAとして順風満帆に働くことができれば切実に組合を必要とする場面にあまり出くわさないですむかもしれません。ですが、組合は、思わぬ逆風に直面した時の備えともなりえます。とりわけ新型コロナウイルスによる感染症の拡大のために業務が通常通りおこなわれがたい状況では、組合の必要性はいっそう高まっているといえます。

TA・RA・OAの方々の組合への加入をお待ちしています!

京都大学職員組合 中央執行委員会

  • TA・RA・OAであっても一般の組合員と同様の立場で支部活動にもフルに参加したいという場合には、一般の組合員として加入することも可能です。
  • TA・RA・OAとして加入される場合には給料天引き制度は適用せず、雇用期間の終了までの組合費(1年間ならば3600円)を加入時に一括してお支払いいただきます。
  • すでに一般の組合員として加入された方がTA・RA・OAの組合員に転換することも、TA・RA・OAの組合員が一般の組合員に転換することもも可能です。TA,RA,OAの組合員として加入する場合や、TA・RA・OAの組合員に転換する場合には学生証をご提示いただく必要があります。