任期付雇用・有期雇用の教職員をめぐるハラスメント問題と本学における労働契約の在り方についての提言

↓ 260319_任期付雇用・有期雇用の教職員をめぐるハラスメント問題と本学における労働契約の在り方についての提言
http://files.kyodai-union.gr.jp/doc/seimei/260319_teigen.pdf

任期付雇用・有期雇用の教職員をめぐるハラスメント問題と
本学における労働契約の在り方についての提言

 2013年4月の改正労働契約法施行以降、有期労働契約の反復更新により通算労働期間が5年を超えた場合、労働者が無期雇用への転換を申し込める制度が確立されました(以下、「無期転換ルール」という)。これは、雇止めに関する判例法理が法制化されたものであり、長年にわたる労働運動の成果といえます。
 一方で、無期転換ルールが法定されたことにより、国立大学等では通算雇用期間を5年未満に制限する就業規則や労働契約が常態化しており、本学もその例外ではありません。研究者については「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」により、無期転換権を得るまでの期間を10年とする特例が設けられています。しかし、ルール導入から10年が経過した2023年以降、理化学研究所等で研究者が雇止めされる問題が多発し、研究者の雇用の不安定さが露呈しました。
 特に大学における若手教員・研究者の採用においては、その多くが任期付雇用(有期雇用)となっています。当初は任期付雇用であっても、一定期間の教育・研究業務を経て審査に合格すればテニュア(無期雇用)として採用される「テニュア・トラック制」も導入されています。しかし、審査権限を持つ上位職者(教授等)が、自身の意向に沿わなければ審査を通さないことを示唆するといった、パワーハラスメントが疑われる事案が本学でも散見されます。また、組織の改組等に伴い、研究方針に合致しなくなった分野の任期付研究者が突然雇止めを通告され、途方に暮れて職員組合に相談に訪れる事案にも接しています。研究機関が若手研究者を使い捨てるような振る舞いは、研究職を目指す若者の志を挫き、アカデミックポストへの信頼を毀損し、わが国の学術研究を衰退させてしまいます。
 教育・研究職以外の有期雇用職員においても、業務中に生じた些細な事柄を殊更に重大視し、契約の不更新を示唆するといったハラスメントの相談が少なからず職員組合に寄せられています。
 これらの問題に共通しているのは、募集・採用・契約の段階において、従事する職務内容や評価基準が極めて曖昧にしか示されていない点にあります。例えば、任期付雇用の特定助教や特定准教授に交付される「労働条件通知書」の「業務の内容」欄には、「教育・研究関連業務」としか記載されていないのが実態です。これでは恣意的な業務評価が可能となり、被評価者はエフォートの方向性すら不明確なまま雇止めをされるという、極めて不透明で理不尽な境遇に置かれることになります。
 こうした状況を改善するためには、募集・契約・採用段階で職務内容を可能な限り詳述し、業務量に応じたエフォート率や明確な評価基準を提示する、いわゆるジョブディスクリプション(職務記述書)に基づいた労働契約方式を確立することが不可欠であると考えます。また、やむを得なくテニュアや雇用更新に至らなかった教職員については、丁寧なキャリアサポートを実施する体制の構築が必要であると考えます。
 私たちは、こうした方向性での改革を求め、団体交渉を含め学内外の諸方面への働きかけを強めてまいります。

         2026年3月19日                  
                     京都大学職員組合中央執行委員会       

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