団体交渉を申し入れました

 職員組合は2024年1月4日付けで、下記、要求事項にかかる団体交渉を申し入れました。交渉日が固まり次第、組合員のみなさまにご案内いたします。

★240104_団体交渉申入
https://1drv.ms/b/s!AmKvrfs6CciGjfkaEdtPCsnjXyktFg?e=VfkLxu
(下記、要求書・要求趣旨のテキストです。)

2024年1月4日

京都大学総長 湊 長博 殿

 京都大学職員組合                   
   中央執行委員長 ミツヨ ワダ マルシアーノ   

団体交渉申入

  団体交渉の方式及び手続に関する労働協約第5条に基づき、下記の要求事項にかかる団体交渉を申し入れます。早急にご準備いただきますよう、お願いいたします。また、交渉日までに文書による一次回答をご提示いただきますよう要請いたします。

要求事項

1 高等教育研究開発推進センター(以下、センター)の廃止を決定した理由を担当理事から説明すること。
2 団体交渉に当たっては、交渉日までに要求事項への回答の概要を文書によって提示し、回答にかかる説明資料も同様に文書によって提示すること。

要求趣旨

1 高等教育研究開発推進センター(以下、センター)の廃止を決定した理由を担当理事から説明すること。
【要求趣旨】
 2023年5月11日に実施した、同要求事項にかかる団体交渉において、「回答にあたっては、すくなくとも2022年1月当時企画委員会の委員であった者、および平島崇男教育担当理事の出席を求める」と示していたにもかかわらず、担当理事は団体交渉に出席しなかった。
 同団体交渉で答弁をした担当者も、高等教育研究開発推進センターの廃止を判断した企画委員会に参画、同席していた者ではなく、およそ説明に足る内容を述べなかった。本件は、単なる学内組織の改組ではなく、教育研究開発推進センターの廃止により雇用継続や労働条件に重大な不利益を被った組合員が存する問題であり、誠実な説明を必要とする。これを拒否する場合には次項の要求を拒んだ場合と同様に、不当労働行為の一要素となり得ることを理解されたい。
 以下、2023年5月11日の団体交渉における要求事項の再掲である。
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 前回の団体交渉において、センターの現員スタッフの移行先を示さないままに全学組織の改廃を決定したのは異例な措置であることが確認された。この異例な措置により、センターのスタッフの労働環境は著しく損なわれ、中には京都大学を退職せざるをえなかった者もいる。
 前回2月20日の団交で永田憲司企画部企画課長は、センターのスタッフの雇用をめぐる問題について「できるかぎり尽力した」として次のように語った。「センターの業務を継承して、そこにかかる事業経費が、どちらの部署で、引き継ぐべきものなのかを明らかにしていただければ、大学本部として経費の確保に尽力します」「速やかに、どの様に必要な経費が掛かるのかをお知らせしてください」と事務を通じて何度もセンター側に伝えた。
あたかもセンターのスタッフが事業経費の申請をしなかったことが問題であるかのような回答である。
 しかし、重要なことは、このような意向を伝えたとされる2022年4月時点においてセンターの業務の存続は未確定であったことである。そのため、センターの側ではセンター廃止後にどのようなスタッフが必要であるかについて見通しを立てられない状況であった。
平島崇男教育担当理事がセンターの業務の廃止と存続について決定してセンター側に通知したのは、2022年7月のことである。すでに9月末のセンター廃止を目前にしていたために、スタッフは京都大学の別の部局に異動する、他大学にポストを求める、あるいは退職するなど10月以降の身の振り方を決めざるをえない状況に追い込まれており、この時点で必要な雇用と経費を申請するのは不可能であった。
 本来ならば京都大学の社会的役割に即してセンターの業務継続の必要性に関しての判断がまずあり、そのために必要なスタッフと経費についての考量があり、場合によってはその考量の結果として全学組織の改廃が問題になるはずである。
ところが、2022年1月の部局長会議に企画委員会が提出した答申では、「センターが担ってきた業務のうち、継続の必要があるものについて国際高等教育院及び大学院教育支援機構に移行する方向で検討を進める」と書くに止まり、何が「継続の必要がある」かという判断を示していない。
 企画委員会の委員として、このように業務の継続必要性についての判断をペンディングにしたままセンター廃止という答申を記した理由の説明を求める。また、理事として企画委員会の答申を役員会で追認した者に、これを正当な措置と判断した理由の説明を求める。
回答にあたっては、すくなくとも2022年1月当時企画委員会の委員であった者および、その当時の教育担当理事であった平島崇男前理事の出席を求める。なお、やむを得ない事情により平島前理事が出席できない場合には、現教育担当理事が、本件の事情を平島前理事より正確に申し送りを受けた上で団体交渉に出席して回答することを求める。
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2 団体交渉に当たっては、交渉日までに要求事項への回答の概要を文書によって提示し、回答にかかる説明資料も同様に文書によって提示すること。

【要求趣旨】
 これまで職員組合は、団体交渉申入れの都度、要求事項への回答の概要や要旨を事前に提示することを要請してきたが、京都大学法人はこれに応じなかった。そればかりか、団体交渉の当日にあっても、回答の要旨の書面を示すこともなければ、回答の説明を補強するための資料を提示することもなかった。団体交渉で回答をする担当理事は、用意された回答書面を読み上げているにもかかわらずだ。要求項目への回答内容には、京大法人が主張の根拠とする法令や学内規定、当該要求に関係して大学が意思決定をした学内会議やその日時など詳細な情報が頻出する。こうした詳細な情報を含む回答が口頭で述べられることに対して、職員組合がその場で意見を述べ反論することは困難であり、事実確認のために交渉時間が無駄に消費される。前回の団体交渉の冒頭においても串田理事は、事前の回答概要の提示要請を拒む主張として「(団体交渉)当日に率直に意見交換をすることが大事」として述べているが、現行の方法では不可能である。こうした京都大学法人の交渉態度は労働組合法が求める労使対等の関係(同法第1条)を著しく蔑ろにしている。
使用者は労働組合からの団体交渉申入れに応じる義務があるが(労働組合法第7条2号)、団体交渉は、使用者が労働組合の意見を聴取するだけの陳情の場ではなく、労働組合の要求に関し、合意達成の可能性を摸索する交渉の場である。使用者に求められる「誠実交渉義務」にかかる、裁判例をここに示す。
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カール・ツァアイス事件(東京地裁平成元年9月22日判決|昭和62年(行ウ)第130号不当労働行為救済命令取消請求事件|労判548号64頁、判時1327号145頁)
 「自己の主張を相手方が理解し、納得することを目指して、誠意をもって団体交渉にあたらなければならず、労働組合の要求や主張に対する回答や自己の主張の根拠を具体的に説明したり、必要な資料を提示したりするなどし、また、結局において労働組合の要求に対して譲歩することができないとしても、その論拠を示して反論をするなどの努力をすべき義務がある」
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 京大法人のこれまでの交渉態度は、こうした裁判例に照らしても、誠実に団体交渉に応じているとは言い難く、速やかに交渉態度を改め、本件要求を履行することを求める。こうした交渉態度が今後も継続するのであれば、労働委員会への申立も視野に入れざるを得ない。

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