団体交渉を申し入れました

 職員組合は2024年10月21日付けで、下記、要求事項にかかる団体交渉を申し入れました。交渉日が固まり次第、組合員のみなさまにご案内いたします。

★241021_第01回団交申入書・要求
https://1drv.ms/b/s!AmKvrfs6CciGjshfQ5bg_MDKuxAxRQ?e=s8Q41N
(下記、要求書・要求趣旨のテキストです。)

2024年10月21日

京都大学総長 湊 長博 殿

                      京都大学職員組合                   
                         中央執行委員長 細見 和之   

団体交渉申入

 団体交渉の方式及び手続に関する労働協約第5条に基づき、下記の要求事項にかかる団体交渉を申し入れます。早急にご準備いただきますよう、お願いいたします。なお、8月19日に提出した団体交渉申入は取下げとしこの申入に改めます。
 また、交渉日までに文書による一次回答をご提示いただきますよう要請いたします。なお、交渉会場確保の事情により、交渉日時の設定に困難が生じる場合には、当方で学内会場を手配し提案いたします。会場手配の事情により交渉日時が徒に遅延することがないようご準備願います。

要求事項

1 不妊治療に係る休暇・休職制度を充実させること

2 看護師に長日勤手当を支給すること

3 看護師に夜間看護手当の増額を行うこと

4 2024年10月からの教室系技術職員にかかる新組織発足を踏まえ、これまで事務系・図書系職員より大幅に遅れていた昇任・昇格を早急に改善すること。また、事務系・図書系職員の昇任・昇格状況と遜色ない水準に達するまでの計画・見通しを示すこと

要求趣旨

1 不妊治療に係る休暇・休職制度を充実させること
【要求趣旨】
 京都大学における現行の規程では、「教職員が不妊治療に係る通院等のため勤務しないことが相当であると認められるとき、一の事業年度において5日(当該通院等が体外受精その他の別に定める不妊治療に係るものである場合にあっては、10日)の範囲内の期間」とあるが、現状、治療にかかる期間がこの範囲内に収まらない場合、休職として取り扱うことも出来ず、年次有給休暇を消化する以外の手段はない。民間では、出生支援として10日以上の休暇や、1年間の休業を申請出来る制度を整えている企業もある。不妊治療の内容や期間等は、個々人によってまったく状況が異なるが、少なくとも、現行の10日までの範囲では現実的に日数が少ない。仕事と不妊治療の両立、離職防止の観点から休暇・休職制度を充実させるための改善を要求する。
 なお、2024年9月11日に医学部附属病院長と懇談を行ったところ、「同部局だけの問題ではないので、回答は控える。」ということであったことを申し添える。

2 看護師に長日勤手当を支給すること
【要求趣旨】
 所定勤務時間を 12 時間とする長日勤は、二交代制で所定勤務時間を 16時間とする夜勤を軽減する方途として導入されたものである。しかし、看護師の日勤業務は処置、検査、手術等々、夜勤時間帯に比べ労働の強度が強く、導入されて14 年がたとうとしているが、緊急の任務は増える一方で心身への負荷はさらに大きくなってきている。8時~20時30分までの長日勤は、患者が起床してから、就寝迄の長時間に渡って検査や処置、手術などの治療やケアが過密する濃厚な時間帯でもあり、それゆえ看護師には長時間の緊張感を強いられる。その上さらなる超過勤務が発生した場合、看護師の心身にかかる負担は想像以上である。しかしながら、12時間が所定労働時間と設定されているため、賃金に一切の付加がされない。こうした労働強度の高い長日勤に加え、人間の活動生理に反した夜勤が交代制により不規則に従事しなければならないのであり、全体としての労働負荷は高い状態になっている。また、勤務時間帯の関係上、子育て世代の看護師は長日勤シフトに組み入れることが難しく、若年層と子育てを終えた中堅・ベテラン層に長日勤の割り当てが多くなっている。本来は、一層の増員により労働の強度を下げることや、一人当たりの長日勤の回数を減じることが求められるところである。附属病院、看護部共に看護師の獲得に努められているところではあるが、看護師の労働市場が強い売り手市場となっているため、増員はおろか欠員の補充もままならない状況にある。以前の団体交渉の回答では、「そもそも人員が足りているのかどうか。」「もっと余裕のあるローテーションを組める様な体制を組むべきではないか。」ということであったが、そういった余裕のある体制は組めない。
 京都大学法人は団体交渉において一貫して「週・月の勤務時間に変わりはないので手当は支給しない」と主張している。また、2024年9月11日に医学部附属病院と懇談を行ったところ、同部局においても、同様の趣旨の回答ではあったが、一方で、「何らかのメリハリをつけたインセンティブを行っていかないといけない。」という話もあった。我々としては、そのインセンティブに当たるものが長日勤手当の支給と考えている。合わせて、同部局より「コロナ禍を受け、経営が非常に厳しく、現状は基盤を整えているところである。手当支給を制度として考えることは可能だが、収支改善がないと本部への要求も難しい。」という観点の回答もあった。一部局の経営が厳しいことによって手当の支給が出来ない、という構造そのものに疑義がある。
 夜間勤務と比較しても遜色なく、労働強度の高い長日勤を担わなければならない看護師に少しでも報い、看護師獲得のための勤務条件の向上の観点や離職率改善の観点からも長日勤に対しての手当を求めるものである。
 なお、金沢大学病院では 1 回につき 1,000 円、京都市内でも日本パブテスト病院では3,000 円の長日勤手当が支給されていることを申し添える。

3 看護師に夜間看護手当の増額を行うこと
【要求趣旨】
 医学部附属病院では月8回以上の夜勤を強いられる看護師数は増加している。「看護師の72時間夜勤規制に関する研究(日本看護協会,2018)」では、72時間超えの夜勤時間は看護師の安全、健康、生活すべてに悪影響を及ぼし、起床時の疲労感や情動ストレスを増加させ、疲労回復や情緒的負担解消に効果がある自宅外娯楽時間を減らすことが明らかにされている。夜勤回数の増加は、『朝出勤して夕方には帰宅する』、という当たり前の生活、すなわち健康で文化的な日常生活を営む権利をも脅かすものである。
 2024年9月11日に医学部附属病院と懇談を行ったところ、「国立大学の医学部附属病院において最大の支給額で手当(9,000円)を行っているため、増額は考えていない。」という回答であった。我々としては、上記「2.」の要求同様に夜間看護手当の増額についてもそのインセンティブに当たるものと考えている。
 自分の生活を犠牲にしながら昼夜を問わず、仕事優先に業務を担っている看護師にとって、このような状況では負担感が高く、職務満足やモチベーションの低下につながっている。長日勤勤務同様に労働強度の高い夜勤業務への対価として、夜間看護手当の増額を求めるものである。

4 2024年10月からの教室系技術職員にかかる新組織発足を踏まえ、これまで事務系・図書系職員より大幅に遅れていた昇任・昇格を早急に改善すること。また、事務系・図書系職員の昇任・昇格状況と遜色ない水準に達するまでの計画・見通しを示すこと
【要求趣旨】
 職員組合は一般職俸給表が適用される、技術職員・事務職員・図書館職員について、(2014年度分の調査で)技術職員だけが昇任・昇格が遅れていることを指摘し、2016年3月18日の団体交渉から、今年度まで8年にわたり本要求と同趣旨の団体交渉を下記の通り10回重ねてきた。

     ①2016年3月18日、②2018年1月12日、③2019年 5月22日、
     ④2020年 5月28日、⑤2021年 2月10日、⑥2021年12月 9日、
     ⑦2022年 3月 3日、⑧2022年 5月30日、⑨2022年12月16日
     ⑩2023年10月12日

 職員組合は技術部組織ともコミュニケーションを図ってきた。その中で感じられるのは、技術部組織として教室系技術職員の昇任・昇格の改善に向けて、人事部門の要請にも耳を傾けながら、技術職員組織の改革や評価制度の見直しに取り組んできている姿である。技術職員組織や職位職階の評価基準の形がようやくまとまり、⑤の団体交渉において当時の平井理事は、2021年度からは新しい制度が走り出す旨の回答をした。しかし、2021年度に入っても新しい制度が実施されることはなく、⑥の団体交渉では一転して、これまでの説明とは異なった技術職員組織のあり方についてプロボストの下の委員会で検討されているとの説明であった。そして、2022年9月13日の部局長会議において「研究支援体制の再構築(技術系職員)検討スケジュール」とする資料が示された。この資料において、新たな技術職員の制度が開始されるのは2024年10月とされた。そして、直近の⑩の団体交渉では「新制度を検討中」ということであった。
 本年8月7日に技術支援企画委員会から「専門職(技術)移行説明会」が開催され、8月30日を期限に専門職(技術)への移行調査が実施された。これに関しては、制度説明から移行希望を表明するまでに期間があまりに短く、しかも、今後は移行の機会を設けない方針であると聞いている。重大な身分変更が伴うにもかかわらず、対応が拙速と言わざるを得ず、この機会に移行を希望しなかった教室系技術職員についても再度の移行希望を受け付ける機会を設けるべきである。
 新制度では「技術・技術支援レベルによる人材設定」が示され、それに基づき職階と給与の将来像が示された。
 極めて遅い対応であったが、ともかく教室系技術職員にかかる新制度がスタートしたことは歓迎する。一方で、事務系・図書系職員に「職と級の一致」の措置が講じられたが2012年のことであり、教室系技術職員に対する措置は12年の遅れが生じている。これまで重ねて主張してきたことであるが、組織や評価制度を整備することは偏に使用者の責務であり、制度構築に12年も要したことは大学法人の懈怠に他ならない。被評価者である教室系技術職員に何の落ち度もなく、それにもかかわらず昇任・昇格について事務系・図書系職員と大きな格差が生じていることは不当である。ついては、同制度を一から運用始めるのではなく対応が遅れたことを加味した昇任・昇格を実施した上で運用を始めるべきである。
 新制度が単なる看板の掛け替えに終わることがないよう、事務系・図書系職員の昇任・昇格状況と遜色ない水準に達するまでの計画・見通しを示すことを強く求めるものである。

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