団体交渉を申し入れました

 職員組合は2022年12月22日付けで、下記、要求事項にかかる団体交渉を申し入れました。交渉日が固まり次第、組合員のみなさまにご案内いたします。

★221222_団体交渉申入
https://1drv.ms/b/s!AmKvrfs6CciGjPNIwp5ipQ7z5OPx2g?e=Gqd6Mi
(下記、要求書・要求趣旨のテキストです。)

2022年12月22日

京都大学総長 湊 長博 殿

   京都大学職員組合                  
中央執行委員長 林 重彦           

団体交渉申入

 団体交渉の方式及び手続に関する労働協約第5条に基づき、下記の要求事項にかかる団体交渉を申し入れます。早急にご準備いただきますよう、お願いいたします。1.3 の要求趣旨に記載しております通り、今回の交渉におきましては、総長あるいは企画担当理事、教育担当理事の同席を求めます。また、交渉日までに文書による一次回答をご提示いただきますよう要請いたします。


1 高等教育研究開発推進センター(以下、センター)を廃止した理由について、学内外に対して説明責任を果たすこと。
1.1 センター廃止の決定に際して現員スタッフの移籍先を明示しなかった理由について説明すること。また、現員スタッフの移籍先も示さないままの部局廃止が、働く者としての権利の重大な侵害であったと認め、今後同様な事態を引き起こさないことを約束すること。
1.2 センター廃止について学内外のステークホルダーを対象とした説明会を開催すること。
1.3 センター廃止の理由を説明すること。


2 総合生存学館にかかる要求
2.1 総合生存学館の事業遂行につき同館執行部教職員が所轄官庁である文部科学省と連絡をとることを違法に妨害している総長およびプロボストの加害行為をやめること。
2.2 総合生存学館は教育・研究に成果を上げ社会から発展が期待されているにもかかわらず、これを改悪し、かつ、その設置認可内容に反する改変を、新体制移行準備委員会で決定・強行し人事・教育・研究の権利をはく奪するのをやめること

要求趣旨


1 高等教育研究開発推進センター(以下、センター)を廃止した理由について、学内外に対して説明責任を果たすこと。
1.1 センター廃止の決定に際して現員スタッフの移籍先を明示しなかった理由について説明すること。また、現員スタッフの移籍先も示さないままの部局廃止が、働く者としての権利の重大な侵害であったと認め、今後同様な事態を引き起こさないことを約束すること。
【要求趣旨】
 全学機能組織の改廃にかかわって企画委員会が教育研究評議会や部局長会議に提出した原案を確認すると、高等教育研究開発推進センター以外の場合には移籍先を示しています。例えば、保健診療所の廃止については企画委員会の答申(2022 年1 月28 日付け)において、下記のように現員の移行先が助教まで含めて示されています。

 ところが、センターの場合のみ専任教員5 名を含む現員スタッフ17 名の移籍先を示していません。あたかも「京都大学に愛想を尽かして他大学に職を求めてくれればよい」といわんばかりの仕打ちです。実際、専任教員以外の現員スタッフのほとんどは、雇用の継続を断念して退職せざるをえませんでした。
 勝間理沙助教の雇用にかかわるケースをとりあげると、センター廃止の決定後、次のような経過を辿りました。
・2022年1月12日(水):センター会議で正式にセンターメンバーにセンター廃止が伝えられる。
・2022年2月16日(水):センター会議でスタッフの任用更新については,2~3月に決定できるように進めていることが伝えられる。
・2022年3月24日(木):勝間助教が飯吉透センター長(当時)と面談。村中孝史理事(当時)が2022年度末までは「面倒をみる」ということが伝えられる。
・2022年6月21日(火):勝間助教が飯吉透センター長と面談。9月末のセンター廃止にかかわらず、年度末までの雇用の継続が約束されていることを確認する。
 このように村中孝史理事(当時)から少なくとも2023年3月までは継続するという約束があったにもかかわらず、6月になっても、いつどこに移籍するのか、それをどのように決定するのか、理事サイドから説明はありませんでした。勝間助教はやむをえず京都府の労働相談に赴き、さらに組合教育学部支部と教育学研究科執行部との折衝を通じて2023年3月までの雇用継続を実現しました。ですが、このように自己努力で移行先を見つけるのはきわめて困難であり、理不尽な事態といわざるをえません。
 保健診療所の廃止のケースに照らしても、部局の廃止を決定する場合には、あらかじめ当事者の意向も聴取しながら現員スタッフの移行先について見通しをつけておく責務があります。
 なぜ村中理事の説明を反故として、少なくとも2023年3月までの雇用の継続を保障する措置をとらなかったのか、ご説明ください。
また、現員スタッフの移籍先も示さないままの部局廃止が、働く者としての権利の重大な侵害であり、今後同様な措置をとらないことをお約束ください。


1.2 センター廃止について学内外のステークホルダーを対象とした説明会を開催すること。
【要求趣旨】


1.3 センター廃止の理由を説明すること。
【要求趣旨】
 前項のように、センター廃止は、そこに勤務する教員や職員の雇用と労働環境に重大な不利益を生じさせています。センター廃止の意思決定過程の不透明さと当事者への説明不足が、その大きな原因となっていると考えます。
 センターの廃止は、大きな社会的関心を呼んだ問題でもあり、わたしたち職員組合に対して説明するばかりでなく、学内外のステークホルダーを対象とした説明会を開催し、総長あるいは企画担当理事、教育担当理事自らご説明ください。
 センター廃止の決定を行った今年1月25日の役員会議事録では「高等教育研究開発推進センターの在り方に係る方向性について、企画委員会における審議結果の説明があり、審議の結果、原案通り決議した」と記しています。ですが、企画委員会における審議結果の内容については記していないほか、センター廃止の理由についても言及していません。
 企画委員会の答申(案)を確認しても、「センターが担ってきた業務のうち、継続の必要があるものについて国際高等教育院及び大学院教育支援機構に移行する方向で検討を進める」という判断の結果を示すに止まり、センターを廃止すべき理由は説明していません。
 その後、今年8月から9月にかけて京都大学オープンコースウェア(OCW)は新規コンテンツの制作受付を終了、MOOC (edX)もやはり新規制作の受付を終了、SPOC (KoALA)はサイトを閉鎖することとなりました。このような経過から考えるならば、大学教授法の開発・実践、および高等教育研究における国内外への貢献というセンターの重要な機能を継続する必要はないとみなしたと考えざるをえません。
 ですが、この決定は京都大学の教職員・学生にとって不利益をもたらすのみならず、OCWなどを利用してきた社会人、高校生などにも大きな損失をもたらす措置である以上、そもそも京都大学の都合だけで廃止することが適切なのか、その廃止は京都大学の社会的信用を大きく失墜させてしまったのではないかと考えざるをえません。
 センターの廃止が公式に発表されてすぐに、村上正行(大阪大学全学教育推進機構教育学習支援部教授/スチューデント・ライフサイクルサポートセンター副センター長)氏らが中心となって「京都大学高等教育研究開発推進センターの機能存続を」と題するオンライン署名
を立ち上げて次のように記しています。
 「京大高等教育センターの廃止や業務の終了について、学内での十分な議論や検討も行われず、執行部の判断のみで決定したとみられ、そのような形で、わが国の高等教育とオープンエデュケーションを公に担ってきた中核機関が理不尽に失われることに、大きな失望と憤り
を抱くばかりでなく、何よりも、教育を支える公共財に対する攻撃に対する危機感を禁じ得ません。」
 京都大学におけるセンターの廃止は、日本の高等教育のあり方を改善していこうと尽力している人々にとって大きな衝撃を与えました。そのことは、現在、この呼びかけへの賛同者が1万名を越えていることからも明らかです。
 さらに『京都新聞』(2022 年8 月19 日付)の記事では、「個別具体の検討状況は答えかねるが、時代のニーズに対応した教育内容・体制の改善を進めていく」という大学広報課のメッセージが伝えられています。ですが、「個別具体の検討状況は答えかねる」というのは説明責任を放棄すると社会に対して公言することにほかなりません。何を「時代のニーズ」とみなしているのか、なぜセンターの諸事業が「時代のニーズ」に合わないとみなしたのか。
 以上の論点をふまえながら、センター廃止の理由についてご説明ください。


2 総合生存学館にかかる要求


2.1 総合生存学館の事業遂行につき同館執行部教職員が所轄官庁である文部科学省と連絡をとることを違法に妨害している総長およびプロボストの加害行為をやめること。
【要求趣旨】
 理事・副学長(プロボスト)は2021 年12 月16 日に、学長・湊長博氏は2022 年2 月25 日に、それぞれ、総合生存学館所属教職員に対して、その事業に関して所轄官庁である文部科学省と連絡をとることを禁止する旨を執拗に申し向けるなどし、その職務上の当然の権利を妨害しているから、これをやめること。


2.2 総合生存学館は教育・研究に成果を上げ社会から発展が期待されているにもかかわらず、これを改悪し、かつ、その設置認可内容に反する改変を、新体制移行準備委員会で決定・強行し人事・教育・研究の権利をはく奪するのをやめること
【要求趣旨】
 労働者の勤務条件を理由なく切り下げることはできないところ、財政上の理由も不祥事もないのに、現在、「総合生存学館新体制移行準備委員会」において、総合生存学館所属教員の入試実施権、部局長選任・被選任権を含む人事権、教育に関する諸権利を始めとする職務上の権利のはく奪に向けた動きが進められている。しかも、個人の実績に対する審査によらず、特定組織に所属する教員に対し一律に同様の権利はく奪を行おうとするものである。このような措置は原因を欠く制裁であり、明らかに違法であるから、直ちに撤回されない限り、公的救済手続を受ける必要がある。また、全学的に若手・女性教員の割合を上げるために採用に制限がかけられている状況で、特定部局においてのみ部局長経験者などの年長者のポストを増やすことは、全学の方針にも社会的要請にも反する。

 

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