【ミニ講義】「歌に託された暴力の記憶」

【YouTube】https://youtu.be/-uoAZlGJkBs

【日 時】2023年2月21日(火) 12:05~

【講 師】細見和之 氏(人間支部|人間・環境学研究科 ドイツ思想、比較文学)

【講義概要】歌にはさまざまな記憶が込められていることがあります。小さいころから親しんでいた歌が、思いもかけない遠い場所の、重たい記憶を抱えていたりします。また、歌は歌い継がれることによって、原作者の意図を超えて、まるで雪だるまのように新たな記憶をまとってゆきます。実際、私はそういう歌のひとつに大学に入学した18歳のときに接して以来、自分のいまの研究にいたるまで、その歌の記憶によって規定されることになりました。ただし、そこにはさまざまな紆余曲折もありました。
 ともあれ、ドイツ思想を研究していた私は、その歌との関わりで、東ヨーロッパでユダヤ人たちが日常語としていたイディッシュ語を学ぶことになり、いまはヘブライ語とポーランド語の勉強に追われている身です。
 おそらくみなさんもよくご存じのその歌を手掛かりに、私たちの記憶の遠近法といったものを問い直すことを試みてみたいと思います。

【講師略歴】細見和之(ほそみ・かずゆき)1962年兵庫県丹波篠山市生まれ、同市在住。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。大阪大学助手、大阪府立大学(現、大阪公立大学)准教授などをへて、2016年4月から京都大学大学院人間・環境学研究科教授。2014年10月から大阪文学学校校長も務めている。主な著書に『アドルノ』(講談社)、『フランクフルト学派』(中公新書)、主な詩集に『家族の午後』(澪標、三好達治賞)、『ほとぼりが冷めるまで』(澪標、歴程賞)など。専門分野はドイツ思想、比較文学。

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【ミニ講義】「歌に託された暴力の記憶」” に対して1件のコメントがあります。

  1. 小西悟 より:

    京都大学職員組合様と細見和之先生に感謝と敬意を表します。
    「歌に託された暴力の記憶」というミニ講義は、ベトナム戦争青春期世代たる私にとって胸を打つ贈り物です。
    はじめ、ドイツ思想のむずかしい話をなさるかと予断を持っていましたからなおさらです。
    私は学生の頃、エスペラント研究会に属し、国際語エスペラントに訳された世界の歌を習いました。
    その中に「ドナドナ」もありましたが、日本語で知っている歌詞と微妙な違いがあるのに少し違和感を持っていました。
    今回、結果的にそのなぞ解きもやっていただきました。ありがとうございました。今後も、専門知を民衆のために役立てる活動を期待します。
    なお、「ドナドナ」のエスペラント訳とその拙和訳を別途メールで送らせていただきます。細見先生にもお伝えください。小西

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