団体交渉を申し入れました

 職員組合は2022年11月28日付けで、下記、要求事項にかかる団体交渉を申し入れました。交渉日が固まり次第、組合員のみなさまにご案内いたします。

★221128_団体交渉申入
https://1drv.ms/b/s!AmKvrfs6CciGjOxnI-dgN2l9LgfLhw?e=fiBcef
(下記、要求書・要求趣旨のテキストです。)

2022年11月28日

京都大学総長 湊 長博 殿

   京都大学職員組合                  
中央執行委員長 林 重彦           

団体交渉申入

 団体交渉の方式及び手続に関する労働協約第5条に基づき、下記の要求事項にかかる団体交渉を申し入れます。早急にご準備いただきますよう、お願いいたします。また、交渉日までに文書による一次回答をご提示いただきますよう要請いたします。

1 教室系技術職員の昇任・昇格について、現在検討中の技術職員組織の検討・施行を待つことなく、現行制度において事務職員・図書館職員と同水準に改善すること。

2 賃上げ要求
2.1 人事院勧告準拠の一時金改善は、勤勉手当ではなく期末手当にて実施すること。
2.2 月給制で勤務する全ての教職員について、昨年からの平均物価上昇率(3%)相当の賃上げを行うこと。
2.3 時間雇用教職員について、2005年10月から2022年10月までの最低賃金上昇率相当の賃上げを行うこと。


以上

要求趣旨

1 教室系技術職員の昇任・昇格について、現在検討中の技術職員組織の検討・施行を待つことなく、現行制度において事務職員・図書館職員と同水準に改善すること。
【要求趣旨】
 職員組合は一般職俸給表が適用される、技術職員・事務職員・図書館職員について、(2014年度分の調査で)技術職員だけが昇任・昇格が遅れていることを指摘し、2016年3月18日の団体交渉から、今年度まで6年にわたり本要求と同趣旨の団体交渉を下記の通り8回重ねてきた。
(1)2016年3月18日
(2)2018年1月12日
(3)2019年5月22日
(4)2020年5月28日
(5)2021年2月10日
(6)2021年12月9日
(7)2022年3月3日
(8)2022年5月30日
 しかし、これまで団体交渉における回答は、もっぱら経緯と現状の説明と教室系技術職員と事務職員・図書館職員を一概に比較できないという抽象的な回答に終始してきた。
 職員組合は技術部組織ともコミュニケーションを図ってきた。その中で感じられたのは、技術部組織としては教室系技術職員の昇任・昇格の改善に向けて、人事部門の要請にも耳を傾けながら、技術職員組織の改革や評価制度の見直しに取り組んできたように見受けられる。技術職員組織や職位職階の評価基準の形がようやくまとまり、(5)の団体交渉において当時の平井理事は、2021年度からは新しい制度が走り出す旨の回答をした。しかし、2021年度に入っても新しい制度が実施されることはなく、(6)の団体交渉では一転して、これまでの説明とは異なった技術職員組織のあり方についてプロボストの下の委員会で検討されているとの説明であった。そして、2022年9月13日の部局長会議において「研究支援体制の再構築(技術系職員)検討スケジュール」とする資料が示された。この資料によると、新たな技術職員の制度が開始されるのは2024年4月とされている。
 これまでの団体交渉での説明でも、技術職員の昇任・昇格について、職位や昇格の基準が明確ではないという理由が述べられてきたが、そもそも評価制度が整わないことは被評価者の責任ではない。教室系技術職員と事務職員・図書館職員の職務が異なるのは自明のことであり、同じ一般職俸給表が適用され、教室系技術職員の集団が、その他の職種の集団より昇任・昇格が遅れているのであれば、合理的な説明が必要である。一概に比較できないのであれば、詳細な分析をして説明して然るべきである。説明できないのであれば、京大法人が教室系技術職員という教職員集団を事務職員や図書館職員よりも低く位置づけていることに他ならない。
 職員組合は、2014年度時点の技術職員の昇任昇格状況に問題があるとして、2016年に団体交渉を始め、京大法人の検討と説明が二転三転した末に、新しい技術職員組織や評価制度が始まるのが2024年とは、教室系技術職員や職員組合をあまりにも愚弄している。もはや、「現在検討中」や「~頃に実施予定」といった回答は信用に値しない。あくまで現行制度において、これまでの不作為による教室系技術職員の昇任・昇格の遅れを回復し、直ちに事務職員・図書館職員と同水準に引き上げることを要求する。

2 賃上げ要求
2.1 人事院勧告準拠の一時金改善は、勤勉手当ではなく期末手当にて実施すること。
【要求趣旨】
 今期の人事院勧告・給与法に準拠して初任給及び若年層を中心とする俸給月額の引き上げ及び、勤勉手当、期末特別手当の引き上げ自体は望ましいことである。しかし、昨年度には、人事院勧告(期末手当の支給月数引き下げ)を背景として、京都大学では期末手当の引き下げを行った。よって、今回勤勉手当を引き上げても勤務評価によっては下がった分が元に戻ることにはならない可能性があるため、勤勉手当よりも期末手当を引き上げるべきである。

2.2 月給制で勤務する全ての教職員について、昨年からの平均物価上昇率相当の賃上げを行うこと。
【要求趣旨】
 ロシアのウクライナ侵攻に起因する、食料・エネルギー高騰に加え、急激な円安のため、この1年で平均物価は3%を超える上昇となっており教職員の生活を著しく圧迫している。前項の人事院勧告・給与法に準拠した一時金改善程度では焼け石に水であり、雇用形態によっては前項の一時金改善も反映されない教職員もいる。教職員の生活水準と勤労モチベーションを維持する観点からも、平均物価上昇率相当の賃上げを強く求める。なお、本要求の賃上げの方法は、俸給表の改善、一時金の増額、臨時手当の支給など手法を問わない。また、前項の一時金改善を享受する教職員については、相当分を本要求の改善から控除しても差し支えない。時間雇用教職員の賃上げ要求については次項に委ねる。

2.3 時間雇用教職員について、2005年10月から2022年10月までの最低賃金上昇率相当の賃上げを行うこと。
【要求趣旨】
 現在の時間雇用教職員の時間給の体系への就業規則改正が施行されたのが2005年4月であり、事務補佐員の場合、900円〜1200円の時給テーブルが設定された。その後、2014年4月に通勤手当の廃止と共に、900円〜1600円の時給テーブルへと改められた。しかし、実際に募集される事務補佐員の多くが、従前通り1000円〜1200円の範囲の時給設定である。
 一方、京都府の最低賃金は2005年に時給682円だったものが、この10月から968円となり、実に約4割を超える上昇率である。しかし、京都大学の時間雇用職員、とりわけ事務補佐員については設定される時間給が2005年以降据え置かれたままである。
 言うまでもないが、最低賃金とはその地域において、職歴や学歴などに関わらず最も単純な業務に従事する労働者に対しても支払わなければならない最低額の時間給である。こうしたことから、この十数年で本学の時間雇用教職員の時間給は地域の賃金相場から相対的に下がり続けていると言える。また、時間雇用教職員が担う業務は、この十数年間の定員削減なども相まって、密度や求められる業務水準も高まってきており、こうした状況を含めて勘案すると、最低賃金の上昇幅以上に実質的な賃金は下がっていると考えられる。
 本学は、本邦でも有数の高度教育研究機関である。京都大学法人が団体交渉で繰り返し述べる「臨時的、季節的および補佐的業務」という主張を仮に受け入れたとしても、日本社会に存在する「最も単純な業務」より、相当程度に高度な知識やスキルを必要とする。こうした業務に従事する優秀な人材を勤務させるにあたり、最低賃金周辺の時間給の処遇などあり得ない。最低限、2005年10月から現在までの最低賃金上昇幅相当の賃上げを必要とする。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です