京都大学職員組合 第100回定期大会宣言

↓ 京都大学職員組合第100回定期大会宣言.pdf
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以下、大会宣言のテキストです。

京都大学職員組合 第100回定期大会宣言

 私たちは、この第100回定期大会を迎えるにあたって、あらためて労働者の権利の保護と生活権の保障、そして京都大学に民主的なキャンパスを実現することを訴えたいと思います。
 私たちは結成以来、これらのことを常に訴えてきました。しかし現状は残念ながらむしろそれとは逆の方向へ進みつつあります。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対策のための行動制限がほぼ解除されましたが、昨年勃発したウクライナ戦争の出口は見えず、世界は未だ日常を取り戻したとはいえない状況です。世界の混乱によるエネルギー価格の高騰と経済活動の再開によって、物価が上昇しつつありますが、私たちの賃金レベルは依然として他の先進諸国と比べて低いままであり、特にそのしわ寄せは時間雇用職員や派遣職員、任期付き教員、学生職員などに集まっています。京都大学法人には、京都大学で働くすべての教職員の賃金の引き上げとともに、支援職員制度などの活用を通じてキャンパス内格差を是正し、同一労働同一賃金を実現するよう求めます。
京都大学法人は3月に「国際卓越研究大学」に応募しました。組合では繰り返し総長に応募の理由とその中身について説明を求めてきましたが、総長はそれに応えようとしないどころか、申請の中身さえ京都大学の構成員たる私たちにはまったく知らされていません。私たちは改めて国際卓越研究大学への京都大学の応募に反対するとともに、根拠のない皮算用に基づく資金を餌に、大学のさらなる国家への従属化をもたらす国際卓越研究大学制度そのものの廃止を求めます。
 岸田政権は、ウクライナ戦争を好機と防衛費をGDPの2%まで増額するとしており、その手始めに2023年の通常国会では過去最大前年比1.3倍の防衛予算を、財源の裏付けもないまま通過させました。このことは、高等教育予算や研究予算、福祉予算の増額の声が、常に財源がないことを根拠に退けられてきたことと比べると著しい非対称性をなしています。しかし、軍事力で守るという以前に、すでに多くのひとびとの生活は危機にさらされているのです。私たちは私たちの納めた税金が、防衛費よりも、福祉や教育、私たちの生活の改善のために用いられることを求めます。
 また、こうした流れのなかでは防衛省の予算がますます研究の世界にも入り込んでくることが予測されます。日本学術会議会員任命拒否問題も、学術会議が軍事研究に慎重であるとされていることが一つの理由であったことは間違いありません。今国会に提出される予定であった、学術会議法改悪案は、強い反対を受けて、政府は提出を見送らざるを得ませんでしたが、現在政府・与党が進めようとしている改革は学術会議がアカデミーとして基本的な役割を果たすことを不可能にし、学問の自由を侵害するものであり、あらためて廃案を求めます。また、岸田政権には、軍事研究の大学への押しつけを行わず、運営費交付金をはじめとする本来の教育研究予算を増額するよう求めたいと思います。
 さらに、私たちはこの国の人権状況がいまだにひどい状況にあることを憂慮します。今国会で成立した入管法の改悪やLGBT理解増進法案は、そうした状況を改善するどころか、むしろ悪化させるものであり、それぞれの当事者の人権を制限ないし奪うものです。各種の国際的な指標では、日本におけるジェンダー平等の実現が世界のなかでも極めて遅れた状態にあることが示されています。私たちはこの日本において、すべての人の人権が守られ、それぞれの人がそれぞれにふさわしい扱いを受けることができる国の実現を目指すとともに、政府と京都大学にはそのために必要な措置を執ることを要求します。
 以上を本大会は宣言します。

2023年7月1日 京都大学職員組合第100回定期大会

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