委員長挨拶

京都大学職員組合 中央執行委員長(2016年度) 川島 隆
 
 このたび委員長の任をおおせつかりました、文学部の川島です。これまで一年間、組
合文学部支部長を務めてまいりましたが、そもそも、組合活動に参加するようになっ
てからまだ日が浅いので、みなさまの足を引っ張ったりすることも多いでしょう。何
かとご迷惑をおかけすることになり恐縮ですが、どうぞ気長にお付き合いください。
 私は本学に着任して2年半になるところですが、前の職場では5年の期限つきで働い
ていました。それだけに、5年雇用の問題には特に関心があります。事情があって常
勤職を望まないケースというものは当然あるにせよ、およそ「5年でクビ」の条件で
働くことを積極的に望む人間はいません。最初からそのような条件で労働契約を結ん
でいるのだから文句を言う筋合いはない、と言える者がもしいるとしたら、その者は、
そのような条件で契約を結ばざるを得ない人間が置かれた心理状況への想像力を欠い
ています。定期的にクビにできる人員を大勢抱え込むことは、使用者側にとって一見
「合理的」に見えるかもしれませんが、仕事のノウハウの蓄積や作業効率、働くモチ
ベーションの維持や職場の良好な環境づくりといった観点からもマイナスが多く、不
合理きわまりない制度だと言えるでしょう。
 ちなみに私の専門はドイツ文学で、カフカという作家を主に研究しています。カフ
カといえば一般に、官僚制の壁にぶちあたる経験をリアルに描いた作家として知られ
ています。私はこの一年、組合活動に関わるなかで、組合と組合員が目下さまざまな
困難に直面していることを実感しましたが、そこで最大の収穫だったと思われるのは、
官僚制とは何かを(いささかなりとも)肌で感じることができた点である、と言って
過言ではありません。カフカ研究者として冥利に尽きることです。
 これから一年もまた、壁にぶちあたる経験を積み重ねることになるでしょうけれど
も、それを通じて学ばせていただきたいと思っています。ご指導ご鞭撻のほど、何卒
よろしくお願いいたします。
                                            2016年7月