2021年度 中央執行委員長 大河内 泰樹(文学研究科 教授)

2021年度の中央執行委員長を務めさせていただくことになりました。文学部支部の大河内泰樹です。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、京大に来てまだ2年目ですが、前任校で組合運動に取り組んでいるなかで、京都大学職員組合の様々な取り組みを知るに及び、広く大学外にも訴えかけながら大変活発に活動をされている組合として遠くから敬意と羨望を持って眺めさせていただいていました。そのときは、まさか自分がその京大職組で委員長を(しかもこんなに早く!)務めさせていただくことになるとは夢にも思っておりませんでした。前伊庭委員長を始め、歴代の委員長の方々を前に恥じることないよう、執行委員はじめ組合員の方々の助言をいただきながら、精一杯務めさせていただきたいと思っています。

 前任校でも、組合活動に取り組んでいたと申し上げましたが、組合活動も、また職場慣行も大学によって大きくことなり、正直いまだに戸惑うことが多くあります。特に前任校は文系しか持たない大学でしたので、理系があり、かつ独立した研究所があるなど、多様な組織を抱える京都大学とは規模的にも質的にもかなり様子が異なります。大学という組織は、その中に含まれる様々な組織が一定の自立性を持っており、それは科学・学問にとっては欠かせないものであるのと同時に、労働環境としては不透明さを持っていることも否定できません。また、法人化以降つぎはぎ的に様々な職種・雇用形態が導入され、京都大学で働く皆さんの働き方は非常に細分化されています。委員長としては、まずはそれぞれの職場で働いている皆さんがどういう条件と環境で働かれているのか、データとそして何よりも皆さんの直接の声を聴きながら把握し、そして事実に基づいた要求を大学に突きつけ、実現させていくことが最も重要な任務だと思っています。

 私は、19世紀のドイツ哲学を主に専門としていますが、19世紀初頭は哲学者たちが大学やアカデミズムについて活発に論じていた時代でした。というと、学問が盛んだった時代だから、と思われる方も多いかもしれません。実際、あとからその時代を見ると19世紀という時代は哲学も科学も大きく発展した時代でした。ところが、その始まりに位置していた哲学者たちはむしろ自分たちの時代を学問の危機の時代と捉えていました。現在も日本のアカデミズムは大きな危機に瀕していると言われます。しかしそれが100年後、200年後から見たら学問の最盛期であったと見なされるような時代になるかもしれません。そしてそのいかんはいま実際学問に取り組み、また教育研究活動をサポートしている私たちにかかっているのだと思います。

 教授会の権限が骨抜きにされてしまったなか、大学の大学らしさを担保することができるのは実は組合ではないかと思っています。大学の語源であるラテン語のウニウェルシタスUniversitasが意味するのは複数の人々が一つになること、つまり団結であり、大学の始まりはまさに知識を求める人たちの組合でした。是非皆さんこの輪に加わって、声を届けてください。そうして教員・職員を問わずひとりひとりのみなさんが、それぞれの現場で学問・科学という価値への貢献に打ち込んでいくことができるような働きやすい環境を実現していきましょう。