2024年度 中央執行委員長 細見 和之(人間・環境学研究科 教授

 2024年度の中央執行委員長を務めさせていただきます、人間支部の細見和之です。人間・環境学研究科に所属している教員で、学部では総合人間学部で教えています。また、共通教育科目ではドイツ語を担当しています。よろしくお願いいたします。

 いま京都大学は大きな節目を迎えています。昨年12月、国立大学法人法の改定によって、京都大学には理事会のさらに上位を占める「運営方針会議」という組織体を新たに設置する義務が課されました。2004年度の大学法人化以来の大きな変更です。元来は「国際卓越研究大学」への採択のいわば見返りとして求められていた組織体が、採択とは無関係に義務づけられたことになります。対話と自由の学風を謳ってきた京都大学がますます構成員から遠いものとなることは確実です。
 組合の使命は、とにかく構成員の横のつながりを作り上げ、その力で、大学の執行部や管理運営者と対等に話し合える場を開いてゆくことだと思います。この間、選択と集中、自己責任、受益者負担といった呪いの言葉が私たちの横のつながりをことごとく破壊してきました。いまあらゆる現場で展開されているのは、要するに〈椅子取りゲーム〉にほかなりません。とはいえ、これに抵抗することはけっして難しくありません。誰も座らなければよいのです。しかしそのためには、まさしく横のつながりが不可欠です。
 私は学生時代から詩を書いてきましたが、10年ほど前から自分の詩に曲を付けることをはじめました。そして、大学の管理強化が進むなか「京大からタテ看が消える日」という楽曲を作りました【組合のHPに譜面が掲載されています(https://www.kyodai-union.gr.jp/tatekan-12/)】。そのなかで「鳥が空を飛ばなくなる日/魚が海を泳がなくなる日/学生も教員も声をあげなくなる日/京大からタテ看が消える日」と私は歌っています。横につながり合いながら、ともに声をあげてゆきましょう。