2026年度 中央執行委員長 伊原木 大祐(文学研究科 准教授)
2026年度の中央執行委員長を務めさせていただきます、文学部支部の伊原木大祐です。文学研究科に所属しており、宗教哲学を専門にしています。大学内外の状況がいろいろな意味で厳しくなっているこの時期に、委員長という重責を担うことになり、身が引き締まる思いです。
私はかつて京都大学の学生として「自由の学風」をそれなりに享受した世代に属しています。教員としてこの大学に戻ったとき、心底驚いたのは、学内の雰囲気がすっかり権威主義的で抑圧的なものに変質してしまっていたことです。十数年のうちに大学を取り巻く環境も大きく変わってしまいました。これは、パーソナリティの問題というより、システムの問題に起因しているように思われます。昔日の京大的「自由」を支えていた柱のひとつは、明らかに「自治」の理念です。この理念が、国立大学法人化に続く2014年の学校教育法改正以降、あの手この手で矮小化されてきたことが、目下の惨状をもたらしているのではないでしょうか。
今から100年以上前に起きた「澤柳事件」は、自治の意義を考える上でけっして無視できない原点となっています。京都帝国大学の複数名の教授を罷免しようとした澤柳総長に対して当時の法科教授陣が反発し、撤回させた事件です。日本における大学自治の確立は、京大とともに始まった伝統であるといっても過言ではありません。しかし、その伝統はいま目の前で、刻々と、そして易々と破壊されつつあります。もし仮に今後、デパートメント制の導入によって教授会自治がなきものにされるとすれば、われわれ一人一人の要求の声はますます届きにくいものとなるでしょう。そのときは京大の職員組合こそが、自治と自由の伝統を守る最後の砦になると私は考えています。
2026年7月31日付けで京都大学は正式に国際卓越研究大学に認定されました。このことを契機に現場への労働負担がこれ以上過重なものとならないよう、また、学内自治(学生自治を含む)のますますの縮小へと傾かないよう、しっかりと注視していく必要があります。そのためにも、組合員の皆様が今の職場で困りごとや違和感をお持ちのようでしたら、ぜひその情報をお寄せください。共に声をあげ、課題を解決し、働く環境を改善していけるよう、組合として最善を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
