2025年度 中央執行委員長 坂梨 健太(農学研究科 准教授)

2025年度、中央執行委員長を務めさせていただきます、農学支部の坂梨健太です。農学といっても、経済学や社会科学の視点から研究・教育を行う生物資源経済学専攻に所属しています。
ご存じの通り、京都大学は今年5月に「国際卓越大学研究大学」に2回目の申請を行いました。湊総長は教職員との対話を十分に行わず、若手研究者の質問に応じる形での動画の共有をもって、構成員に説明をしたと考えているようです。
少し中身を見てみましょう。湊総長は申請に至った理由を語る前に、大学の将来像とミッションを3つ挙げています。1)アカデミックフリー(研究の自由、研究の多様性)、2)研究の社会への還元、3)社会と対話するプラットフォームとしての役割。なかでも1)は、自由の学風をもつ京都大学として譲れないと述べています。そして、これらが達成できない要因として、科学技術の発展に対応できない旧来の研究組織および国立大学法人化にともなう運営費交付金の減少を指摘します。よって国際卓越大学研究大学に申請するという流れです。
次に独立法人化にたいする長尾元総長の所感を、2023年度のワダ委員長の挨拶から見てみましょう。とりわけワダ委員長が下線を引かれて強調された部分が「法人化は目的ではなく、大学を良くしてゆくための手段」、「大学の自主性、自律性を発揮するための制度的枠組」という言葉です。
法人化に舵を切った理由も国際卓越大学研究大学と同じような主張であることがわかります。すでに20年以上が経過する法人化の問題を十分に検証することなく、新しい枠組みに同じような理由でつき進むことに違和感を覚えてしまいます。ともあれ、国際卓越大学研究大学の結果に関係なく、湊総長の述べた京都大学として譲れない部分が掘り崩されないか(すでに崩されている可能性もありますが・・)、しつこく追求していく必要があると考えます。
もちろん職員組合は研究者である教員だけの組織ではありません。研究のサポートをしてくださる職員のみなさんの存在あってこそ研究の自由と多様性が守られるはずです。湊総長は動画で職員の人員が少ないことに言及していますが、現場で十分に理解できない職務体系や大学で働いているとは思えないような低い賃金状況はやはり問題でしょう。
私自身これまで職員のみなさんの状況を意識してこなかったことを大いに反省しつつ、これからの一年間、教職員が安心して業務や研究に取り組める環境の実現を目指して、微力ながら尽くして参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。