今季の春闘状況と今後の賃上げの取り組みに向けてのアピール

 京大職組は3月17日(金)に次のようなアピールを発しました。

↓ 230317_今季春闘の状況と今後の賃上げの取り組みに向けて
http://files.kyodai-union.gr.jp/doc/seimei/230317_syuntou_tinage_appeal.pdf

以下、アピールのテキストです。

今季春闘の状況と今後の賃上げのとりくみに向けて

 今季の春闘において、各産業の労働組合の奮起により賃上げ交渉を大きく前進させていることに心からの敬意を表すところです。
 振り返ればこの30年間、実質賃金水準は停滞を続ける一方で、非正規雇用の比率が大きく高まるという、全体が貧困化しながら労働者間の賃金格差が拡大するという状態に陥りました。私たちも、東日本大震災に便乗した賃下げの不当性を裁判にも訴えて闘い抜きましたが、結果として賃下げを食い止められず、低調な賃金水準を許してきたことに忸怩たる思いです。
 そうした中、昨冬に起こったロシアによるウクライナ侵略を端緒として、あらゆる資源が高騰にして実質賃金が一段と下がり、その中で世界を見渡せば、先進国中で日本だけが賃金上昇から取り残されていることが知られるところとなり、賃上げの機運が醸成されてきました。
 本来ならば、私たちも今季の春闘において他産業の労組の仲間と同様に、大幅な賃上げを勝ち取るべく賃上げ交渉に挑むべきであります。しかし、国立大学においては歴史的経過として人事院の民間調査を基にした人事院勧告による国家公務員給与水準に倣う状況がつづき、不本意ながら、その範疇を越えることができていません。
一方、民間の賃上げは人事院勧告にも反映されるため、今季、来季に関しては、これまで以上の賃上げが考えられる状況になっています。しかし、京都大学においては、非正規雇用の教職員の賃金が常勤職員の賃金体系とは切り離された仕組みになってしまっているため、人事院が賃上げ勧告を示しても、それをもって自動的に賃上げが実現するわけではありません。
 京都大学において時間給で働く時間雇用教職員は、法人化直後の2005年度より今日まで時給単価水準が固定されてきました。その間、京都府の最低賃金は682円から968円まで上昇しています。これは、地域内において京都大学の時間雇用教職員の賃金水準が相対的に40%以上低下していることを意味します。この間、常勤職員の定員が削減され、その分の業務を時間雇用教職員が肩替わりしてきたことは明かです。時間雇用教職員の労働価値は上がりこそすれ下がっているとうことは断じてありません。今こそ、こうした非倫理的な待遇格差を打ち破るべく、団体交渉をはじめとする賃上げの取り組みに全力を尽くす所存です。
 報道でも伝えられている通り、欧米諸国においては多くの労働者が賃上げを求めてストライキを構えています。英国では学校、大学の教職員までがストライキに立ち上がり闘っています。日本以外の先進諸国で賃上げが進んできたのは、政府の経済政策の在り方だけではなく、労働者が労働組合を通じて声をあげ、行動してきたことに依るところが大きいのです。
 沈黙は同意とみなされます。労働組合をつくり行動することは、国民の権利として保障されているのです。今こそ労働組合で声を束ねて、生活防衛のための賃上げを勝ちとりましょう。
                     2023年3月17日 京都大学職員組合 中央執行委員会

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